口腔機能低下症について ORALFUNCTION

口腔機能低下症とは

口腔機能低下症とは、主に加齢によって、咀嚼や嚥下機能が弱まったり、唾液が少なくなったりする疾患です。 特別大きなトラブルは生じてないからと、放置してしまうと、少しずつ日常生活を営むのが困難になります。「食事をするのが難しくなる」「筋肉が衰えて外に出られなくなる」など要介護状態に結びつくこともあるのです。

口腔機能低下症と診断する症状とケア方法

口腔機能低下症は、咀嚼や嚥下機能が弱くなったり、食べ物がしっかりと噛めなくなったり、体に力が入らなくなったり、唾液の分泌が低下したりと症状が幅広いため、治療法も多岐に及びます。
加齢、むし歯や歯周病による歯の喪失、補綴物の適合性の悪化、薬の副作用、栄養失調、各種疾患など原因もさまざまです。そのため、一人ひとりのお口の状況に合わせて、適切な口腔ケアをご提案します。また場合によっては生活習慣、食習慣のアドバイスも行っていきます。

  • 口腔衛生状態不良

    舌苔(ぜったい)の付着度を見ることによって、お口の中の清潔度を検査します。舌苔には食べカスや汚れ、お口の中の細菌が溜まっています。口臭の原因になるだけでなく、舌苔が厚くなると熱さや味を感じにくくなります。

  • 口腔乾燥

    唾液の分泌が低下して、口が乾いた状態のことをさします。広い意味での口腔乾燥症は、唾液分泌の低下だけでなく、口が乾いていると自覚する症状すべてをさすことになります。

  • 咬合力低下

    加齢とともに歯が抜けることはオーラルフレイルに関係しています。
    歯の本数が少なくなることで当然噛む力は弱くなります。一般的に残存歯が20本未満になると咬合力は低下すると言われています。

  • 舌口唇運動機能低下

    舌の運動が低下することも原因の一つです。検査は「パ」「タ」「カ」をそれぞれ5秒間発音し、口唇や舌の動きを測定します。5秒間での合計発音数を計測し、1秒当たりの回数を算出します。

  • 低舌圧

    口に入っているものを感じたり、食べ物を噛む手伝いをしたり噛み砕いたものをまとめたりと食べ物を喉の方に運ぶためには舌の力がとても大切になります。その為、食事の際食べ物が口の中によく残るという方は「舌圧(ぜつあつ)」が弱くなっているのかもしれません。

  • 咀嚼機能低下

    歯周病やむし歯などで奥歯(大臼歯)を失った人の場合、咀嚼機能が低下します。 この状態を放置するとお口の機能低下(オーラルフレイル)から低栄養を経由して身体全体の虚弱(フレイル)につながってしまいます。

  • 嚥下機能低下

    嚥下機能が低下すると嚥下障害となり、口の中のものを上手く飲み込めなくなる状態になります。 通常の状態であれば、まず最初に口の中で食べ物を噛み砕きますがそれが難しくなると食事自体が困難になります。

口腔衛生状態不良

  • 1日2回以上、夜寝る前にも必ず歯磨きを行いましょう。
  • 舌も綺麗に汚れを落としましょう。
  • 歯間ブラシ、フロスも併用しましょう。
  • うがいをしっかり行いましょう。(ブクブクうがい)
  • 入れ歯をお持ちの方は入れ歯もしっかり汚れを落としましょう。

口腔乾燥

  • お口をよく動かすようにしましょう。
  • 水分をこまめに摂りましょう。
  • 唾液腺マッサージを行いましょう。
  • お口専用の保湿剤を使用しましょう。

咬合力低下

  • むし歯や歯周病があれば治療し、咬み合わせを治しましょう。
  • 歯ごたえのあるものを食べましょう。(スルメイカ、干し芋など)
  • 入れ歯をお持ちの方は咬み合わせがあっているか歯科医院で確認、調整しましょう。
  • 咬む筋力を鍛えましょう。

舌口唇運動機能低下

  • お話しする機会を増やしましょう。
  • 早口言葉や滑舌の練習を行いましょう。
  • 舌や唇をしっかり大きく動かしましょう。
  • 専用器具や楽器などを使用し、唇や頬の力を鍛える運動を行いましょう。

低舌圧

  • 舌をよく動かすようにしましょう。
  • 舌を口の中ではじいて、ポンと音を鳴らしましょう。
  • 舌で左右の頬を内側から押し、舌の筋力を鍛える運動を行いましょう。
  • 舌の筋力を鍛える専用の訓練器具を使用しましょう。

咀嚼機能低下

  • むし歯や歯周病などがあれば治療し、咀嚼機能を改善しましょう。
  • 食事の際は1口に20~30回咬んで食べましょう。
  • 食べ方指導や咀嚼機能のトレーニングを受けましょう。

嚥下機能低下

  • 飲み込み力の検査を受けましょう。
  • 飲み込みの力を鍛えましょう。
  • 呼吸訓練などを行い、呼吸の力を鍛えましょう。

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