歯科における食支援について
脳卒中やパーキンソン病などにかかると、咀嚼や嚥下機能が低下するので食事が口から食べられなくなることがあります。特に歯科に関わる分野で言えば、誤嚥性肺炎が代表的です。誤嚥性肺炎は、感染と回復を繰り返し、徐々に耐性菌ができて、重症化します。そして、少しずつ食べる機能が低下してしまうのです。そのような場合に、当院では「食支援」を通じて、口から食べることを取り戻すためのサポートを行っています。
多方面の職種から食を支援
食支援は、大きく四つの側面からの支援が考えられます。口から食べる機能、全身状態、生活環境、そして食べる環境。
口から食べる機能
口から食べる機能を回復するために、リハビリや機能訓練を行います。歯科医師、歯科衛生士、言語聴覚士などそれぞれの専門職と連携して進めていきます。
全身状態
呼吸がしにくかったり、高熱があったりするなど全身状態が悪化している方はそもそも食べられる体の状態ではありません。そのため、医師、看護師、薬剤師と連携して体調を整えるよう努めます。
生活環境
住環境、家庭環境、経済的環境などの生活環境は食事と密接な関係があります。社会的環境を改善することが食支援に繋がることもあるため、ケアマネージャー、行政などがサポートしていきます。
食べる環境
食べる際の状況も食支援においては大切です。たとえば食べる時の姿勢に力が入らないと、食べる機能は低下してしまいます。そのため、理学療法士や福祉用具専門相談員と協力し、患者様が無理のない姿勢で食事を食べられるようサポート。また食事内容に関しても栄養士の方々が、軟らかくしたりトロミを付けたりして、食事が喉を通りやすいメニューを開発します。
歯科医院に通えない方は訪問診療へ
口腔ケアを中心とした歯科治療
歳をとって体力が衰えると、歯科医院に通院するのが困難になる方もいらっしゃいます。すると、口腔ケアが不十分になり歯の健康状態も悪化し、さまざまな病気のリスクが高まります。当院では削ったり、抜いたりする歯科治療以外にも丁寧な口腔ケアを行い、患者様の全身の健康をサポートいたします。